第一場『えんげき!』

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キーン コーン カーン コーン とある高等学校。 校内に鳴り響くチャイムが、本日の授業の終わりを告げる。 私にとって一番祝福な音色と言っても過言では無いかもしれない。 「じゃあ、これで授業は終了。起立」 授業担当の教師の声に、日直が号令をかける。 しばらくして先生が教室から出て行き、それを見て私は大きく背伸びをした。 「よし!やっと終わったー」 「まいいきなり元気だね?授業中とは大違いだよ」 先生がいなくなって、少しざわついてきた教室の中。 隣の席に座っていた小学校からの親友、戸金佳奈が呆れた顔で私を見ていた。 「これから部活あるからさ」 私は笑いながらそれに答える。 「まいは部活一直線だもんねー。演劇部だっけ?入部して2ヶ月経つけどそんなに良かったの?」 「良かったと言うか、演劇は元々好きだしね。先輩達もまあ変というか…いや、良い人達ばかりだし、毎日充実してるよ」 「でも演劇部ってまい入れて4人しかいないんでしょー?しかも一年はまいだけって聞いたけど」 「まー演劇部って大体どこもそんなもんなんだって…、でもまあ人出が多い方が良いってのは事実問題だけど…」 「そうなんだ…。で、でもまあまいが楽しいならそれでいいのかな」 気を取り直そうと、佳奈は私に笑いかける。 「まーね」 私もそれに笑顔で返す。
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