レッドフォックス

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時刻は草木も眠る午前二時。 闇が統べるちっぽけな空間で、崇高にして、神聖なる儀式は幕をあげた。 一人、狭い部屋で、私は、奴の真っ赤な体見ていた。 奴の衣を剥ぎ、少しずつ、体を開く。私の喉がごくりと鳴った。 体の中身を取り出すと、私は、そのモノを引き裂き、奴の体にぶちまけた・・・あぁ、なんて素敵なのだろう。 緊張に震える手を押さえながら、私は奴に浄化された液体を注ぎ込む。 ゆっくりと注ぎ込まれる液体は、奴の体の中を駆け巡る。 私は、あらかじめ用意しておいた木の棒で奴の体を挟み込んだ。 次第に、奴の体が熱を帯びていく。 もうすぐだ。 もうすぐ、私の欲望が叶う。 ふと、気が付くと、私は時間を忘れ、じっと、奴を見ていた。 ・・・どれほどの時間が経ったのだろう。 一時間にも一瞬にも感じる時。 私が時計を見ると、時計の針が二時五分を差していた。                       さぁ、儀式はクライマックスだ。 奴を押さえ込む邪魔な木の棒をどかし、ふただび奴の体を開く。そして、奴の体に生け贄となる油揚げを捧げ。 真っ赤な粉を振り掛ける。 自然に口元が歪み、私の顔はいつのまにか、不気味な笑みを浮かべていた。 そして、私は・・・ゆっくりと木の体を二つに割ると、奴の体目がけて振り下ろした。 しばらくの間、辺りを沈黙が埋め尽くす。 聞こえるのは、私が奏でる音と奴の体が壊れる音。 そして、私は最後に呟く。 「ご馳走様。あぁ~、やっぱり、夜中のカップ麺は止められないなぁ」 終わり
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