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智史が気がつくと、ベットに寝ていた。天井は草木で作ってあるだろうと思われる程、手作り感満載な感じになっている。
「ここは…」
おもむろに智史が呟くと
「ここはレモテの村だよ」
さっきの女の子が言った。
「レモテ?」
聞いた事がないが、自分が知らないだけで、こういう所があるのだろうかと智史は考えた。
「あんたの名前はなんていうの?」
「笹木智史…」
「サ…サ…キ……サキって呼ぶね」
女の子は勝手に名前を決めるとにこっと笑った。
「ちょっとまて!笹木智史だって言っているのに、なんでサキなんだ!俺の名前はサトシだ!」
智史はベットから起き上がり反論した。
「サトシ…サシにするか」
「なんで省略するんだよ」
智史が突っ込むと
「あれこれうるさいなぁ~サキでいいじゃん。私の名前は、ライラ・カナリエ。リラって呼んで」
なんか無茶苦茶な奴だなと智史は思った。
「で、リラあの恐竜は?」
智史がリラに聞くと
「あ~ぁ…トメさんね。隣りの家の人の」
「…はっ…い…?」
隣りってあれが隣りに住んでいるのか!しかもトメって…
「つかぬ事を聞くが、なんで悲鳴をあげたんだ?」
不思議そうにリラをみつめる智史にリラは「トメさんが、怖い話してくるんだもん。私怖い話苦手だからから…」
リラはぶすっとしながら言った。
女の子が襲われていると思って、自分の命さえ犠牲にしようとしたが、ただの俺の早とちりだったなんて、なんだか情けないな。
智史が落ち込んでいると、リラが
「あの時はありがとう♪よく間違われたりするけど皆逃げちゃうんだよね。でもサキは逃げなかったから嬉しかったよ」
とリラが言ってくれたので、少し救われた気がした。
まぁ…その後気絶して倒れたから、助ける所か助けられてしまったのは確かだけど…
智史は苦笑いした。
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