王子と姫

5/5
前へ
/15ページ
次へ
「2年の 姫宮 凛さん。田中 絹子さん。理事長室に至急お越し下さい。」 廊下を2人で歩いていると 校内放送で呼ばれてしまった。 「きぬちゃん…何か悪いことしたかな?私達…」 『何も…?』 凛の顔色はみるみるうちに青ざめている。 『生徒会長の凛だから呼ばれた?』 「副会長だから きぬちゃんも呼ばれたの?」 『そうじゃない。』 彼女に笑いかけると 凛は安心したのか ヘヘッと笑い出した。 「きぬちゃん。行こっ!」 凛は私の手を握り 理事長室に向かって走り出した。 私はバランスを保ちながら 彼女に引っ張られるまま 足を動かした。 私たちが廊下を走ると 周りの生徒達が騒ぎ出す。 「きゃぁ!王子と姫が手を繋いでいるわっ!!」 「私もしてほしい!」 こんな生活にも 慣れた…… .
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

558人が本棚に入れています
本棚に追加