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「今日は犬に追っかけられたんだ」
「犬?」
今日も俺は永久と話し、今日の出来事を話した。
「うん、黙ってたら可愛いんだけど…動物とかは霊的な物を察するのに優れてるんだ」
永久は自然に出せる様になった笑顔で俺の話を聞いていた。
「いきなり吠えて追っかけて来るんだもの。びっくりして逃げちゃった」
「でも未来は死神だから犬とかに何かされる事は無いんじゃないの?」
そ…それもそうだ…
何で気が付かなかったんだ…
「条件反射ってあるだろ?それだよ、きっと」
俺はあたふたしながら言い訳をした。
永久はクスクス笑いながら、そうだね、と言った。
「本当に自然に笑える様になったな」
「未来こそ」
確かに…な。
永久に会うまで、自分がこんなになるなんて思ってもいなかった。
この1時間で、俺はどれだけ変わったんだろう。
この1時間だけ、俺は死神では無くなっているだろう。
それでも良いと思ってる俺が、まさにそれを物語っている。
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