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3日が経ち、俺はもう1度少女の居る病室へ向かった。
昨日と同じ様に病室の扉を開けて開口一番に少女に話し掛ける
「願いは思い付きましたか?これが最後です」
そう言って俺はゆっくりと鎌を振り上げる。
もう迷わない。
情けも容赦もいらない。
俺達死神は、それを必要とした存在では無い。
それが許された存在でも無い。
しかし少女は、
「………」
黙ったまま、それを受け入れ様とした。
次第に苛々が俺を襲う。
「何か無いのか!?普通生きたいとか言うだろ!?」
この時俺は気付いてなかった。
苛々するという事が初めての感情だという事を。
少女によって心の奥に無かったはずの何かが生まれつつある事を。
長い沈黙だったが俺は待った。
と言うより、どうする事も出来なかった。
鎌を振る事も…
出て行く事も…
それらは待つ事より簡単な事だった。
でも出来なかった。
今出て行って…彼女の表情を想像出来なかったから…
それが怖くて、足が動かなかったんだ…
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