第1章

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二階の一番奥。 放課後の理科室は、毎回思うけれど、陰気くさくて怖い。 春馬先輩命名の 『人体模型のたろうくん』も、教室のすみっこで、真っ赤な夕焼けに照らされ、不気味に立っていた。 僕は先輩に理科室の椅子に座らされ、びくびくとあたりをみまわしながら、その口から発せられる言葉を待っている。 春馬先輩は、 入学してすぐに、この心霊同好会を一人で作ったらしい。 活動内容は、 『心霊現象に触れ、未知の体験をしよう』だそうだ。 入学したての僕は、何故か先輩に気に入られ、無理やりこの同好会に入部させられた。 同好会には、この学校の生徒から様々な心霊関連の依頼がくる。 先輩は依頼を受け、調査をし、時には解決する。 先輩は、見えざる者が見え、それを払う事が出来る凄い力と数々の心霊経験がある。 でも、僕は何もないただの高校生。 そのために今まで、僕だけ何度命の危険に晒された事か。
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