第2章

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「あ、遥。ここ」 自転車を止め、先輩は道路ぞいを指差した。 そこには派手に曲がった道路標識と枯れた花束。 「これ。事故現場じゃないっすか!」 非難の目を向ける僕にも全く動じず、先輩は耳からイヤホンを外した。 「2ヶ月の事故。詳細はわからないが、ここら辺で噂になってんだよ。 ここで夜11時きっかりに写真を取ると、必ず身体のどこかが消えるんだと、 と言うわけで」 先輩はバッグからデジカメを取り出す。そして面白そうに僕を見た。 「さ、遥君。そこに立ちなさい」 悪魔だ。 先輩の頭に角が生えている。
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