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「あ、遥。ここ」
自転車を止め、先輩は道路ぞいを指差した。
そこには派手に曲がった道路標識と枯れた花束。
「これ。事故現場じゃないっすか!」
非難の目を向ける僕にも全く動じず、先輩は耳からイヤホンを外した。
「2ヶ月の事故。詳細はわからないが、ここら辺で噂になってんだよ。
ここで夜11時きっかりに写真を取ると、必ず身体のどこかが消えるんだと、
と言うわけで」
先輩はバッグからデジカメを取り出す。そして面白そうに僕を見た。
「さ、遥君。そこに立ちなさい」
悪魔だ。
先輩の頭に角が生えている。
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