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「い、嫌ですっ」
僕はあとずさりしながらその場から離れようとするが、先輩は僕の襟を掴む。
「弱虫だなあ、遥は」
面白がってる!
その顔は絶対面白がってる!
「じゃあ先輩が立ってくださいよっ」
僕は先輩からデジカメを奪い取ろうとしたが、先輩はひらりとかわした。
「だめ、俺の愛用デジカメ『デジ亀子ちゃん』は指一本触れさせない」
デジカメにまで名前をつけてんのか。
「ほら、遥。
後三十秒」
先輩は襟首を掴んだまま、僕を事故現場まで引きずると花束の前に降ろした。
「また降霊して欲しい?」
その一言に僕は固まる。
ど、どっちも嫌だ~!!
「はい、後十秒」
先輩はカメラを構えた。
先輩の秒読みが始まる。
僕は仕方なくそこに立った。
「5、4、3、2、1…」
先輩は時計のアラームと同時にシャッターを切った。
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