第1章

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怯える僕に笑みを浮かべて近づく先輩。 そして僕の目の前の机に、どさりと書類の束を置いた。 「なんすか、これ」 「生徒会の要望書。それ、分類別にまとめて」 「はあ?!」 僕は椅子をガタンと引き立ち上がる。 「今日は心霊同好会でしょ?!なんで先輩こんな仕事!」 「だって俺、生徒会だし」 先輩はずり落ちた眼鏡を指で上げ、書類を手に取る。 そうだ、春馬先輩は、生徒会書記。 書記なのに、生徒会の闇の存在として、他の生徒会役員から一目置かれている。 「それにな」 先輩は、書類を見ながら僕にニヤリと笑い返す。 「今回の、心霊話は夜に起こるんだよ」 つまり、仕事しながら待てと言う事か。 今ここで帰るなんて言ったら後で何をされる事か。 以前こっそり帰った時は、後から家に浮遊霊をつれてこられたっけか。 あの時はラップ音と霊障にかなり悩まされた。 涙ながらに謝り、先輩に祓ってもらうまで続いたよな…。 辛い過去を思いだし、僕は肩を落とした。
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