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怯える僕に笑みを浮かべて近づく先輩。
そして僕の目の前の机に、どさりと書類の束を置いた。
「なんすか、これ」
「生徒会の要望書。それ、分類別にまとめて」
「はあ?!」
僕は椅子をガタンと引き立ち上がる。
「今日は心霊同好会でしょ?!なんで先輩こんな仕事!」
「だって俺、生徒会だし」
先輩はずり落ちた眼鏡を指で上げ、書類を手に取る。
そうだ、春馬先輩は、生徒会書記。
書記なのに、生徒会の闇の存在として、他の生徒会役員から一目置かれている。
「それにな」
先輩は、書類を見ながら僕にニヤリと笑い返す。
「今回の、心霊話は夜に起こるんだよ」
つまり、仕事しながら待てと言う事か。
今ここで帰るなんて言ったら後で何をされる事か。
以前こっそり帰った時は、後から家に浮遊霊をつれてこられたっけか。
あの時はラップ音と霊障にかなり悩まされた。
涙ながらに謝り、先輩に祓ってもらうまで続いたよな…。
辛い過去を思いだし、僕は肩を落とした。
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