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「で、今回はどんな話なんです?」
書類を分けながら僕が聞くと、春馬先輩はふふん、と鼻で笑う。
「お、のってきたじゃないか。お前も立派になったな」
春馬先輩はハンカチで涙をそっと拭う。
「違います」
僕は先輩に書類の束を押し付け返した。
「僕は早く帰りたいんですっ!」
「…そうだな」
先輩は、書類を受けとると椅子に腰かけた。
僕もついて椅子に座る。
「今回のは、消えるんだよ」
「消えるって…幽霊なら消えるでしょ?」
「いや、消えるのは幽霊じゃない。俺達の身体」
自分の頭を指差し、先輩は言う。
「はい?」
「その場所でな、写真を取ると、消えるんだよ。身体の一部が必ず。
こんな体験、めったにないよなあ。
さて、恐怖体験にレッツゴー♪」
先輩はカメラを取りだし、僕の方に向け、嬉しそうに言った。
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