ヴァンパイアの城

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「白亜の城……あれが」 遠目でしかわからないが、森に囲まれてそびえ立つ城の外観にマイは思わず息をのんだ。 (もっと不気味で暗い感じのお城かと思った。 白い服を着た王子様が立っているみたいで、とても悪魔が住んでいる城には見えない……) 白亜の城を食い入るような眼差しで見つめながら、マイは城のイメージにあったシチュエーションを頭の中で思い描いてみた――。 城にたどり着き、馬車を降りたのは、お姫様が着るようなドレスを身にまとうマイ。 その時、城門から白馬に乗った人物が向かって来た。 『マイ姫……』 マイに優しく語りかけるその人物の正体は男で、白い礼服を着こなすマイ好みの美男子だった。 『あなたは……誰?』 と、マイが尋ねると男性は馬から降り、会釈をしてこう言った。 『私はこの城の王子。マイ姫を迎えに参りました』 『迎えに……って』 『あなたは私の花嫁として選ばれた方。故に、こうして私が自ら馳せ参じたのです』 『花嫁!? そんなあ―』 マイは両手で顔を覆い隠しながら恥じらう仕草をした。 『マイ姫、あなたは美しい。あなたこそ世界一の花嫁です! さぁ、私とともに……』 『はいっ、王子様!』 マイは王子と手に手をとって城の中へと向かって行った――。

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