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「もうな、動かないんやで。
変やね?こんなにも綺麗に眠っとるのに。
二度と、笑って、俺の名前呼んでくれないんよ。」
ある日、良ちゃんの大切な人が、死んだ。
それは本当によく晴れた日の出来事やったから
全部嘘なんやないかって思うくらい、突然で。
「何でやんなぁ?俺、何か悪いことしたんかなぁ?
何で、何であいつのこと連れてったんやろなぁ?」
にこり、にこ。
笑っとるのに、その頬には、涙が途切れることなく、流れて。
「良ちゃん」
泣きながら笑う良ちゃんを抱き締めて言うた。
「泣かないで」
笑っとる良ちゃんが好きなんよって何度も言うた。
「あたしな、ずっと前から良ちゃん好きやったん。」
叶わないことも、知ってんねん
「良ちゃん、笑ってや。」
泣き笑う良ちゃんはそれでもまた笑ってくれて
嗚呼、壊れてしまった。
なんて頭の片隅で思いながら、あたしは良ちゃんにキスをした。
20060324
(壊れても、愛してあげる。)
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