退屈な日曜日

――あー、面倒なことになった。

　最低かもしれないけど、率直に思った。ぼんやり立ったままでいると、ふつふつと感情がこみ上げてくる。待ってたならもっと早く連絡しろ、とか、時計台下って約束したのに改札口で待つな、とか。でも言う相手はいない。今すぐ電話をして、ああだこうだ言う気もしない。

「はー」

　雨の勢いは相変わらず凄まじくて、時計台下で律儀に待ち合わせする人なんか、私くらいしかいない。いつもなら待ち合わせスポットとして、人で賑わうのに。私はやっと歩き出し、駅に入る。改札口までは屋根があるので、びしょ濡れの傘を畳んだ。

「お風呂入って寝よう」

　もうショッピング、という気分じゃない。疲れてしまった。改札をくぐって電車に乗り込み、ドアの近くに立つ。ガラス越しの風景は、雨のせいでほとんど見えない。

「つらいなあ」

　自分でも気づかない内に、そんな言葉が口から出た。ぼーっとしていると、あっという間に最寄り駅につく。私はのろのろと降り、のろのろと帰路についた。

　雨は少し、弱まり始めた。