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「卒業以来ねー」
鳥を見上げながら、森内に話しかける。森内はコクリとうなずき、木から離れた。
「森内?」
「危ないよ」
「へ?」
次の瞬間。私の右足のすぐ横に、白いフンが落ちる。
「あっぶな!」
急いで森内のそばへ避難した。
「もっと早く教えてよ」
危うかったわ……頬に手を当て、遠目に鳥をうかがう。私のことなんか、全く眼中にないようだ。
「うん」
ワンテンポ遅れて、森内の返事が聞こえた。
「変わらないね、森内は」
マイペースで、興味のあることにしか動かない変な人。顔は悪くないから、それなりに人気はあったけど……その辺の女の子より細いから、みんなに肉食べろとからかわれていたっけ。
「うん?」
森内は首を少し傾げ、頷いた。
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