退屈な日曜日

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   * 「ミチーごめん!」  明くる日の月曜日。大学の食堂でぼんやりしていると、カヨが私の前にちょこんと腰掛ける。 「カヨ」 「本当に、ごめんね?」  両手を合わせて小首を傾げる。きらきらした目につやつやした小ぶりな唇。誰もが振り向くほどかわいい! というわけでもないのに、思わずかわいいと言いたくなる女の子。きっとひとつひとつの仕草がとてもかわいいのだろう。 「ベーコンとほうれん草のパスタと豆乳プリン」  私は人差し指を立てて、仏頂面で言う。 「アイアイサー」  カヨはおどけて、敬礼をする。椅子から立ち上がるとピンクの長財布を持って食券を買いに行った。  しばらくすると、リクエスト通りベーコンとほうれん草のパスタと豆乳プリンをトレイに乗せたカヨが戻ってくる。 「お待たせいたしました」  うやうやしく私の前に置く。 「埋め合わせ、ご苦労」  私は両手を合わせ、いただきますと小さな声で言った。カヨのドタキャンはいつものこと。埋め合わせに別日に遊びに行く、と約束したってまたドタキャンされる可能性があるから、いつからか埋め合わせはお昼ご飯になった。でも昨日は本当に楽しみだったから、一品、豆乳プリンを追加してやった。 「ねえ、ミチ、聞いて聞いて」  パスタを食べ始めた私に、カヨは聞いてもないのに昨日のデートの話を始める。私ははいはいとテキトウに相づちを打ちながら、森内のことを思い出していた。
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