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そんな時、雫が突然旅行の話しを持ちかけてきた。
『今度のライブが終わったら皆で旅行行こうよ。』
『おっ。雫にしては良い事言うじゃん。』
光が茶々を入れたのを見て充が釘をさすように言った。
『今の俺達のバンドのどこにそんなお金の余裕があるんだ。現にそんな低料金で満足行く旅行が出来るのか?』
『私は行きたいケドなぁ。』
突然思いもがけない後方から返事が帰ってきたので充は少しびっくりした。
『まさか柊がこんな話しに乗るなんて。』
『私だってたまには旅行したいもん。ねっ?雫ちゃん。』
雫は嬉しそうに
『うん。私の叔父さんが南の方に島国に別荘を持ってるんだ。みんなでそこに行こう。話しは私からちゃんとしとくから。』
皆、その話しを聞いて納得したようだ。充も少し笑みを零して頷いてくれた。
『よっしゃぁ。行くぜ。南国に。』
今まで難しい話しなので静かにしていたお調子者の光が息を吹き返したように叫んだ。
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