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「それにしても、歩夢君って、私より背低いんだね。何センチ?」
「え?えと…、確か156くらい…かな」
幸音ちゃんが、大きな目をさらに大きくした。
「うそぉ~!!私と10センチ差じゃない!!」
「えへへ…」
僕は、内心ビクビクしていた。『弟キャラ』と言っても、15歳の男子にしては、小さい。
“女”とばれる確率が増えるのだ。
僕が押し黙っていると、ウサピョンと呼ばれた男の人が口を開いた。
「ダメだぜ、幸音。男は、背の事に敏感なんだから…。歩夢君。気にするな。な~に、後2、3年すりゃあ幸音の身長なんかすぐ越すさ」
「あ…。ごめんね。歩夢君…」
幸音ちゃんが、申し訳なさそうな顔をする。
「ううん!!気にしないで!!ねっ?」
「ありがと…。あ、そういえばウサピョンの事話してなかったよね?」
幸音ちゃんが、ウサピョンさんを指差しながら、笑った。
「ウサピョンはね~。私のマネージャーさんなの」
「こらこら…。ウサピョンじゃ、通じないだろ…。俺の本名は、宇佐美竜輝だ。ったく、その呼び方は止めろって言ってんのに…」
「いいじゃない。可愛くて。ほら、ウサピョンってヤクザ顔でしょ?だから、呼び名くらいは親しみがなくちゃね!!」
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