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「ちょっと、待ったぁぁぁ~!!」
鈴ちゃんが、勢い良く私と社長の間に割り込んで来た。
私と社長は、鈴ちゃんの迫力に怖じ気づいて、慌てて体をそらした。
「な、なんだね、鈴。不服でも、あるのか?」
「あるわ!!大ありよ!!」
鈴ちゃんが、キッと社長を睨みながら私を指差した。
「もし、『熊谷歩夢』が女だってバレたら、どう責任をとるつもりよ!!」
「そっかぁ…。ドラマとなると、バレる可能性が高くなるよね…」
ドラマと聞いてテンションが上がっていた私はどこえやら…、シュンとうなだれて呟いた。
「なんの為に、下月さんがいると思う?」
社長が、余裕な笑顔で問いかける。
ちなみに、下月さんは私のマネージャーで、『熊谷歩夢』の正体を知っている人の1人。
バリバリのキャリアウ―マンで「私は、仕事と結婚したのよ!!」が口癖だ。
「そうだ!!下月さんがいれば、大丈夫だよ!!ね。鈴ちゃん?」
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