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とても綺麗だった。
「―――問おう、貴方が私のマスターか?」
彼女の声に殺意は感じられなかった。どうやら彼女が俺を助けてくれたらしい。
かと言って、この質問にYesと答える訳にはいかない。
まず、意味が分からないし、このまま流されたら大変なことが起きそうな気がする。
だから答えよう。
ガラスハートの俺でも、譲れないものがある!!
「違います」
「………………」
「………………」
「召喚に従い参上した。これより我が剣は貴方と共にあり、貴方の運命は私と共にある。―――ここに、契約は完了した」
うわっ、俺の意見無視ですか!?
僅かに沈黙が訪れる。
だが、すぐにその沈黙は破られた。
「―ッ!!!!先程とは違うサーヴァント!?」
いきなり声をあげ、刀を構えるようなカッコをする少女。
構えるだけで、刀など持ってはいない。
もう何がなんだか分からなくなってきた。
なのに…
「流石セイバーね。あのランサーを一撃で追い払うなんて」
なんで遠坂凛が俺のウチにいる!?
さらにややこしいわ!!!!
あれ?遠坂の後ろに誰か…
「まぁ、剣をおろしたまえ。私達は別に戦いに来たわけじゃあない」
おいおい!!あんたは校庭で槍男と戦ってた、短剣男じゃないですか!?
俺は、俺の心が崩れていく音を、初めて聞いた。
あぁ………死にたい。
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