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目を覚ますと、辺りは明るくなっていた。
時計を見るとまだ5時である。が、これは俺にとってはいつも通りなのだ。
天井を見つめたまま、ぼーっとしている内に、昨日の事を思い出す。
ありえないうえに、超最悪な日だった。
…でも、もしかしたらあれは夢だったのかもしれないよな…
「マスター、お目覚めですか?」
淡い希望は持たない方がいい。崩れたときのショックがデカイから…
障子の向こうにいるであろう彼女に話しかける。
「…いつまでここにいるんですか、セイバーさん?」
「聖杯戦争が終わるまでですが」
「じゃあ早く終わらせてください」
「では、マスター。今から他のサーヴァント達を倒しに行きましょう」
「あの~、多分俺はマスターじゃないと思うな。人違いだ。残念ですね。早くマスターを探しに行った方がいいですよ」
「なに言ってるんですか?貴方の手にある令呪がなによりの証拠です」
言い訳は無理らしい。
自分の手に浮かびあがっている模様に目を落とす。これが令呪。
令呪は確か、サーヴァントに3回まで絶対命令を出せる。とか、遠坂が言っていた。
これは………使える!!
「セイバー」
「はい」
「遠坂を仮マスターとして、聖杯戦争を勝ち抜け。これは令呪(めいれい)だ」
「なっ!!」
俺の手の模様の一筆が消えた。
フッ、俺の勝ちだ!!
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