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「まったく、ろくなこと言わん奴だ」
パンパンと手をはたいて呟くアルト。その背後には先ほど冷やかしていた男が、頭に瘤を作り倒れていた。
「……フフフ」
その光景を見て思わず微笑むフィリス。
「な、なんだよ?」
「なんでもないよ」
照れ隠しに頭を掻くアルト。この二人は恋人同士だ。
「いつまでもこの空気を楽しみたいが、敵は待ってくれないようだ」
アルトがそう言うと同時に、魔物の群れが咆哮を上げた。
地上からは獣型の魔獣が走り、鳥型の魔物や竜が空へと飛び立つ。
「……死ぬなよ?」
そう言って拳を突き出す。
「あなたこそね」
その拳に自身の拳をぶつける。
人類の存亡を懸けた戦いが始まった……。
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