プロローグ

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「やっぱり強いなぁ……」 アルト達の様子を高台から見下ろしているフィリス。こんなことを呟いているが、彼女自身の強さも相当なものである。 でないと軍のトップにはなれはしない。 ただ、一対一が強いアルトに対し、フィリスは対複数が得意なタイプであるため、たまに手合わせしても勝てないだけである。 「フィリス様!」 その時、双眼鏡を持った一人の男が駆け寄って来た。 参謀のキニアス。白髪を生やした初老の男である。 「どうしたの?」 「ゴ、ゴーレム級が多数現れました!」 そう言って双眼鏡を差し出すキニアス。 「なんですって!?」 双眼鏡を受け取り、覗いた先には、魔王の城から出てくる巨人だった。 ゴーレム級とは、魔物の中でも最高の強さを持つ種族。砂でできている者をサンドゴーレム、鉄でできた者をアイアンゴーレムと、その身体を構成する物質によって名前が変わる。 「厄介ね………私も出る。用意しなさい」 キニアスはっ!と頷いて双眼鏡を受け取り、陣営へと戻っていった
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