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虫達の声 動物達の息遣いすら聞こえない闇の中、カウルに何度も鞭打ち急かす。少しでも早く現実から逃れる為に。
アレはこの世界には必要な事。
選ばれた自分には行わなければならない役割。
だけど何かがおかしい…
この世界に必要な役割を果たしたのに、何故こんなに苦しいのか…
いくら鞭を振られてもカウルが反応出来ない位に駆けている事にすら気づかずにいた。
カウルの眼には月明かりの細い闇夜では、周囲の景色はほとんど認識する事が出来ない。
それでも主の為に駆けた…
カウルの背にしがみつくように揺られている少年…アルは固く眼をつむり、先程の光景を頭の中から追い出そうとしていた。
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