ユメトゲンジツ

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テーブルの上にはクロワッサン。 隣町の美味しいパン屋さんのそれだけど、なんだか食欲がわかない。 寝起きだから・・・? それとも、まだ夢をみているの・・・? 雨音が私の心をくすぐっては笑う。 「うわぁ、このクロワッサン潰れとるやんかぁ。母ちゃん詰め込みすぎやって!いくら詰め邦題だからってこりゃねぇよ~。なぁ、姉ちゃん。」 「・・・。お前は黙って食え。」 「えー?何でよ。ええじゃん。」 朝食を終え、身支度を。 特に予定もないけど、何かが呼んでいる気がして、何か準備しないといけない気がして。 しかし、顔を洗うと、そこには曇った顔の私がいた。 鏡を拭いても、曇りは取れない。 どうしてこんなに悲しそうな顔をしてるの? その瞳に、この世界の未来が宿っている気がして、私はたまらなく目を伏せた。 どうしてこんな運命に巻き込まれたのかし・・・ 「ちょい、姉ちゃん、また歯磨き粉が鏡に飛び散ってんで!ちゃんと拭いてや!怒られるの俺なんじゃけ!」 「・・・、・・・、ホンマにお前は黙れ。」
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