発見という成功

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「それよりケンヂ君、さっき作っていたお城が途中で壊れてしまったね。それじゃあ壊れてしまったお城は失敗だったのかな??」 ケンヂは紳士の不思議な話にとまどいながらさっきと同じ事を言いました。 「当たり前だよ。だって壊れたんだから。」 すると微笑みながら紳士は言った。 「そうかい。ではどうなれば成功なんだい??」 「壊れないお城だよ!」 ケンヂはすぐに答えた。 「では君がさっき作ったのは壊れたから失敗だと言うんだね。でもね、君がそこでやめてしまったからそれは失敗になるんじゃないのかい??」 「どういうこと??」 「さっき壊れてしまったお城はね、そういうふうに君が作ったから壊れてしまったんだよ。いいかい??君がさっき壊れてしまったお城の作り方を学んで、それとは違うやり方でやった時にまた新しいものができていくんだよ。それはまたうまく行かないかもしれない。しかし、またそのうまくいかなかった方法を使って次に進むんだ。すると最後には嫌でもうまくいってしまうんだよ。」 黙ってうなずくケンヂに微笑みながら紳士は続けた。 「するとさっきの壊れてしまったものは失敗ではなく、発見という成功と言った方がいいね。君は壊れる方法を発見したんだ。これはね、人生にも当てはまるんだよ。そう考えると極端な話しだけどね、私はこの世に失敗と言う言葉はないと思うんだよ。」
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