禁煙記

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2050年。 僕はタバコをやめた。禁煙科にかかっていなければ、今年から10万円を超えるタバコ税の引き上げの餌食になってしまうからだ。今や「擬似タバコ」というニコチンが少量入った煙管のようなものが売られている。「第二のタバコ」と呼ばれるようになるのも、このすぐあとになる。 このタバコの大幅値上げの発端は、この窮屈すぎる禁煙世界で、歩きタバコをする不届きな人間がいたからだ。世の中を狭くするのは、いつだって国民なのかも知れない。 この時代を生きなきゃ、禁煙の本当の辛さはわからないだろう。
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