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告知の夜
そう、昨日の夜のこと。もう、虫も眠るという程の静かな時間。
わたしはいつものように寝つきにくい暑さの中、ようやく睡魔が訪れてぐっすりと眠りに着いていた。
いつもなら朝までグッスリの所。
でも不思議と何かに呼ばれたような気がして、目が覚めてしまった。
のっそりと首を起こして目を何回かパチクリした。
キョロキョロと周りを見回してみたら、少し離れた所に何か白い光が浮いているのが見えた。
不思議とそれが生き物のように感じたわたしは、優しく声を掛けた。
「君は誰? わたしに何か用事ですか?」
その光は、まるでわたしの声に反応したようにプルプルと震えた。
おもしろい。こんな変わった物は初めてだ。
寝ぼけていた頭が興味で一気に覚めていった。
わたしは首だけじゃなく、全身を起こしてそれと向き合った。
「わたしはキミに伝えたいことがあってきたの。これから言うことをちゃんと聞いてね」
わたしはすごく驚いた。
プルプル震えていた光が声を出した!口もないのにどこから声が出てるんだろう?
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