【prologue】

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《ある日の夕刻 悠斗自室にて》 『F県山間部で男性の遺体が発見されました。男性の名前は――――』 「ちょ、悠斗! こいつ中学の時クラスにいた林だよな!?」 こいつが言ってる悠斗ってのは俺、須賀悠斗(すがゆうと)のこと。 軽く自慢交えとくと、俺ん家はこの辺じゃちょっとした旧家――つまり地主ってやつで、ゆくゆくは俺がこの家も家業も継ぐ予定。 で、さっきから俺の肩を揺らしてんのは、幼なじみ……っつーか腐れ縁の渡部拓海(わたべたくみ)ね。 あんまりしつこいから仕方無しにネットゲームを中断して、ちょっとチカチカしてる目で取り敢えず夕方のニュースを確認。 すると、画面下部分へ表示されてるテロップは“林宗次郎さん(25)” 「……こんな奴いたっけ?」 「マジかよ覚えてないとか。確か、中2から2年間一緒だったぜ?」 「中2から、ねぇ……」 今考えると、やっぱこれが全ての始まりだったんだよな。 ってもこの時点では、忘れた頃にあんなことする羽目になるなんて、全く思ってなかったけど。 少なくとも、俺は。
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