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以前、僕が小さかった頃、「儀式」中の兄に何をやっているのかと聞いた。
すると短く、「火葬しているんだ」という答えが返った。
当時小学生だった僕は、それがどういうことを意味しているのかわからなかったが、それから何年か経って何度も兄の火葬の儀式を見ている内に、何となく想像がつくようになった。
海辺の日差しは砂を灼く。僕の目を灼く。背を焦がす。そしてそれは兄にとっても同じことだ。
熱射病にならないかと心配になるほど、日が暮れるまでの半日を浜辺で過ごす兄は、帰る頃にはすっかり日焼けする。普段は大半を家の中で過ごしているせいか青白くさえ見える顔が、まるで別人のような赤ら顔になる。
夏の頃にやろうものなら、それからしばらくの間は、ボロボロに皮が剥けて見るのも痛々しい姿になった。
でもそんな時、兄はその皮を剥きながら、少しだけすっきりとした顔をしていた。まるで憑きものが落ちたように。
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