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「ふあぁ~…。」
盛大なアクビをした少年の名は、桐生聖(きりゅうしょう)怪獣とかが好きなマニアックな高校生だ。
「授業退屈だなぁ……。」
聖は机に突っ伏しながら、外の景色を眺めた。
そして放課後。
「…………。」
聖はボーッと外を眺めているだけだ。
彼は部活動にも入ってるわけでもなければ、学校外で何か活動しているわけでもないから、暇なだけだった。
すると聖の頭に衝撃が走った。
「いってぇ~❗」
聖が激痛の走る後頭部を押さえながら後ろを向いたら、そこには一人の少女が立っていた。
「何ボーッとしてるのよ❗」
彼女の名は、東谷実里(あずまやみさと)。聖の中学からの友達(?)だ。
「いきなりんな固いもので叩くな❗死んじゃうだろ❗」
と、聖は実里の持っている辞書を指差した。
「良いんじゃない?少しは怪獣の事が頭から離れて。」
「ばっ❗そんな事ここでハッキリ言うなよ❗」
実は聖が怪獣好きな事は、実里以外知らない。
何故かと言うと、彼がデパートで怪獣のフィギュアをこそこそと買っている所を実里に目撃されてたからである。
「あら?別に良いじゃない。怪獣好きの聖君❗」
実里は聖の額にデコピンをしながら言った。
「くっ❗それよりお前、部活には行かないのかよ?」
実は実里は野球部のマネージャーだ。
「今日は休みよ。それより聖も野球やらない?凄く楽しそうよ。」
「パス……俺団体競技は苦手だから。」
と、聖は手をヒラヒラとさせて流した。
「絶対それつまんないと思うけどなぁ……。」
そう言うと、実里も聖の横で外の景色を眺めた。
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