48007人が本棚に入れています
本棚に追加
「おはよー、美桜ー!聞いてー」
教室に着くと席に座るよりも前に、友達の麻耶に話しかけられる。
麻耶はクラスでも派手目の女の子だ。明るい性格でイイ奴なのだが、先生に一発で注意、指導されるような髪型や、メイクをしてくる。
背中にかかるほど長く伸びたストレートの黒髪を垂らしたままで、化粧は薄くする程度の私はいつも「もっとちゃんとすればいいのに」とダメ出しを受ける。
“ちゃんと”の意味が先生とはだいぶ違うけれど。
「なにー?なんかあった?」
私はさして興味がなさ気に聞き返す。
だけどそんなことお構いなしに麻耶は自分の言いたいことを言う。
「昨日の夜さ、私にメールとか電話した?たぶん繋がらなかったと思うんだけど」
「えっと、昨日はしてないよ。なんで?落としたの?」
「違うのー!親に取り上げられたの!」
怒り顔で訴える。
「へーそりゃまた、災難な…」
「災難レベルじゃないよ!携帯ないとかマジ死にそう!人生狂うよ。あーマジ最悪あの親!」
最初のコメントを投稿しよう!