息苦しい日常

11/33
前へ
/261ページ
次へ
だけど、ブログは持ったことはあるものの、家のゴタゴタでとても日常を綴れるような状態ではなく、むしろ誰にも知られたくないことばかりだったので、ハマることもなく自然に放置したままやめてしまった。 だからネットでの出会いなんてピンとこない。 「マジ?そういうのって怖くない?」 「怖いさ!だからみんなで行こうって言ってんの」 怖いのか。 ならそんな危険を感じる場所に友達を連れていくなよ、と思う。 まぁ口には出さないけれど。 それに麻耶は怖いという割にドキドキワクワクの方がきっと高い。 「う~ん。でもそれ夜でしょ?」 断る言い訳ではなく、本当に気になることだった。 「そっか。美桜は門限あるもんね。でも一日くらいもダメ?」 朱音がやわらかく聞いてくれる。 “門限” それは家に帰らなければいけないと決められた時間。 麻耶には厳しく、朱音にはゆるくある。  だけど時には破ったり、その都度怒られたり、時間をもう少し遅くしてと引き延ばし交渉をするときもある。   だけど私は破らない、怒られない、交渉することもない。 だってこれは親に決められたルールではない。
/261ページ

最初のコメントを投稿しよう!

48007人が本棚に入れています
本棚に追加