息苦しい日常

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「いいじゃん、ちょっとくらいさ。一年生の最初のころはよく遊んでたじゃん。また行こうよ。 でも急に美桜んち両親厳しくなったよね。ウザくならない?」 麻耶は自身のこともあってか、肩入れをしてくれる。 だけど私は同意出来ずにただ曖昧に笑った。 厳しくはない。 ウザいとも思えない。 「そうやって美桜は押しが弱いんだよね。もうすぐ夏休みなんだし、イイコやってる場合じゃないよ。そんなんじゃ楽しいこと逃してバカを見るよ」 軽く言う言葉にチクリチクリと胸が痛くなる。 うるさい。黙って。 「まぁ、チケットは余ってるみたいだから返事は明日でもいいよ。説得してみ? えっとね、時間はー…って携帯に入ってるんだった!あーもう!!」 また怒りがわき出てきたらしい。騒ぎ出したのを朱音が止める。 そんなところで担任が入って来たのでみなガタガタと自分の席に戻り始めた。 席の近い二人はまだ愚痴を言い合っている。   
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