息苦しい日常

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放課後になり麻耶の家に着くと、麻耶のお母さんが快く迎えてくれた。 「いらっしゃい、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりなんてしてられないよ。すぐに出掛けるから」 「そう、あんた夕飯は?」 「今はいらない。でも夜帰ってきたらなにか食べるかも。残しておいて」 そう言い残すと麻耶はさっさと自分の部屋に向かう。 お母さんもそんな態度を特に気にする様子もなく台所に消えて行った。 「美桜も適当に使っていいよ」 ヒョウ柄に埋め尽くされた部屋に通されると麻耶は大きな化粧ポーチを差し出した。 私のものより数段種類のある中身に驚きながら、CMで見た新発売のマスカラが気になったので使わせてもらった。 麻耶はタンクトップにミニスカートというもう夏真っ盛りのような明るい服に着替え、髪の毛もいつもより逆毛を立てて気合を入れていた。   私はボーダーのチュニックに黒いショートパンツを合わせて、進められるがまま、カーラーで毛先をゆるく巻いた。   最近は休日は家に引きこもりきりだったため、友達と出掛けるためにおしゃれをするというのは単純に楽しかった。
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