息苦しい日常

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三人で跳ねたり手を振ったりと楽しく盛り上がっていたものの、だんだんに疲れて息が切れてくる。 一番人気の最終組が出てくる頃には二人から「あんた体力無さすぎ」と突っ込まれるほどに元気をなくしていた。  しかもみるみる内に息苦しくなり冗談ではないほど気分が悪くなってきた。 興奮した麻耶が最前列まで突っ込んで行ってしまったので、とてもついていくことが出来ずに、ついにリタイアを申し出る。 「朱音、私ちょっと外行って空気吸ってくるよ」 「えー大丈夫?ついてこうか?」 「いいよ。麻耶を一人にするとうるさいし。すぐ戻ってくるから」 押し合う人の波を無理やりに抜けると、出口付近は空いていた。 トリのこのバンドが今日のメインなのだから当たり前だ。 出ていく前にもう一度ステージを振り返ってみた。
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