息苦しい日常

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「あー…。そっか、ごめん。 俺てっきり雰囲気に飲まれて調子に乗ったバカががぶ飲みして気持ち悪くなったんじゃないかと思って」 そう言って早口に説明してすぐに謝る。だけど素直過ぎて逆におかしい。 「調子に乗ったバカって…」 「いや、ごめん。よくそういうの見るんだよね。でも君はバカじゃないみたい。真面目なんだね」   “真面目”という言葉は本来良い意味のはずなのにどこか馬鹿にされているように感じる時がある。 特別なことなんてしてないのに度々言われる。  美桜ってマジメなんだね  マジメでつまんないね  楽しまないなんてバカみたい そんな風に感じてた。 だけどこの人の言い方は本当に感心しているように聞こえる。 「…違うの。真面目というか、本当にお酒飲めないの。じんましん出るから」 「へー。実証済み?」 彼は話始めた私に即座に反応する。 「5歳の時、父親のビール盗み飲んで全身ブツブツと痙攣で病院送り」
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