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「だけど、一番最後に出てきたバンドはすごい迫力だったよ。超良い声!まさかあれが私の運命!?」
「美桜はどうなの?あの日出逢った人と」
朱音が夢を見る麻耶を無視して、話に割り込んできた。
「どうって別に・・・」
「なんだろうね、やっぱ図書館で働いているのかな?」
「図書館の人とライブハウスって似合わなーい。なんかの間違いじゃない?」
麻耶が笑う。
間違いと言われても私は確かに樹という人からあの名刺をもらったのだ。
「嘘つくようには見えなかったから、きっといるんじゃないかな」
思わず彼をかばってしまう。
確かに彼と図書館を結ぶイメージは薄いけれど信頼は出来る。
「美桜、まさか会いに行く気?」
いつもなら行動力のない私を意外そうに見る。
真っ直ぐな瞳を受け止めて、一呼吸おいて答えた。
「まさか」
クスリと笑うと二人はすんなりと納得した。
話は他の話題にずれたけれど、私は今日の帰り道のことを考えていた。
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