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働く樹の気配を感じながらも、もう話しかけるような邪魔はせずに、大きな窓際にある陽のあたるふかふかのソファに座り、ページを開く。
この場所は机のある勉強スペースとは違って、おじさんがメガネを頭に上げてゴルフ雑誌を見ていたり、お腹の大きい妊婦さんがゆったりと腰を降ろして子育ての本などを読んでいたり、とてもリラックスした空間だった。
たくさんの人と空間を共有しているのに自室にいるような気になるのが不思議だ。
みんな静かに下を向いてそれぞれの世界に浸っている。
その空間の中に独りでいるのは案外楽だ。
ライブハウスのような大勢の騒がしい音の中での孤独も好きだが、この静かな空間も意外と同じなのだ。
たくさんの人の気配を感じながら、みんなが他人に無関心。
人がいる安心感。
誰にも干渉されない安心感。
それがここにはある。
図書館といえば息が詰まるような印象だったが、そうでもないらしい。
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