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辺りを見回すのは止めて、手元の文章に視線を落とす。
いくつか分からない単語があったけど、それぞれに注釈がついていて、英語の独特の言い回しや、時代背景などが簡単に説明されていた。
戯曲のため、説明的な台詞が多いが、それも次第に馴れ、登場人物同士の会話のみだというのに、細かな仕草や情景が浮かんできた。
いつかテレビや小説の挿絵で見たような、ロミオとジュリエットの外見的なイメージが浮き上がってくる。
二人は仮面舞踏会で出逢い、お互いに一目で恋に落ちる。
ロミオは恋い焦がれ、ジュリエットの屋敷の庭に、塀を越えて忍び込む。
するとそこには、恋した男が敵対する家の息子であることを知ったジュリエットがバルコニーで一人嘆いていた。
そこであの台詞だ。
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