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親の姿を見てそんな風に感じるなんて、お互いにもっと年齢を重ねてからだと思っていた。
しかし、17歳の私がすでにそう思うのはよっぽどだ。
母はそれくらいに弱く見えるし、目を離してはいけなく思う。
そう、私たち二人が支えなければいけない人。
「おはよう」
もう一人の家族の声がする。
既にスーツもネクタイもちゃんとして、会社に向かう準備が出来た姿で挨拶をしながらリビングのドアを開ける。
「おはよう、パパ。はい、コーヒー」
「ありがとう、美桜」
父はいつも通り、母の正面の席に座る。すると、母はカップを持ちながらスッと席を立ち、後ろのソファに移動する。
それをなにも言わずに見送る。
前はコーヒーと、トースト、目玉焼きとサラダとフルーツ。朝から健康的な食事をしていた父だったが、今はコーヒー一杯で済ませている。
低血圧で寝起きの悪い私は、無理をしてまでこの人の為に朝食を作る気にはなれなかった。
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