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桃太郎
昔々、あるところにおじいさんとかおばあさんとかいましたか?
ある日、おじいさんが山へ芝刈り機のネタをしに、おばあさんは川へ洗濯へ行こうと思ったのですがめんどくさいのでおじいさんに洗濯を押しつけ、部屋でお昼のワイドショーを見ながらごろごろしてました。
おじいさんが山で芝刈り機の練習をしながら竹藪に突撃していると、その竹の中に根元がやたら輝いてる竹がありました。
おじいさんは、「自分の頭の輝きに共鳴しているのか」と考えましたが、今日は曇りです。
反射するにも太陽の輝きがなくては輝きません。
なのでその竹は月のように光を反射して輝いているのではなく、恒星のように自ら光を放っていると理解したおじいさんは「こいつはいいトレジャーだ」と言いましたが、誰も突っ込んでくれないので自分で「欧米か」と突っ込んでおきました。
なにはともあれその竹を持って帰ってきたおじいさん。
おばあさんが「祟りじゃ~」と騒いでいたのも気にせず缶切りを使って開け始めました。
中には3寸(※約10㎝)ほどの大きさの赤子が入ってました。
グリコのおまけみたいだったのでおじいさんはとりあえず「一粒三百米」と叫んでおきました。
その赤子は男の子で、おじいさんは「なぜだ!?なぜ女の子じゃない!神は俺を見放したか!!」と心底思ったのですが、おばあさんがえらく赤子を気に入っていたので渋々叫ぶのを諦めました。
そしてその赤子はおばあさんの「桃のようなお尻だね」という発言から‘桃太郎’と名付けられました。
物凄くこじつけな気がしてしようがないのは気のせいです。
きっと命名理由がお尻の親もいます、多分。
光陰矢の如しとはよく言ったものであっという間に三ヶ月程がすぎました。
決してめんどいからではありません。
月日がたつのは驚くほど早いのです。
ダイジェストでお送りしている間に桃太郎は成人男性ぐらいの体付きになっていました。
あまりの成長の早さに、おじいさんは「これでは私の芝刈り機のネタを伝授しても私より早く死んでしまう」と後継ぎの心配をしました。
しかし、もともと子供のいない夫婦だったのでもとに戻るだけです。
おじいさんは心配もそこそこに卵を丸噛りしました。
余談ですがこの芝刈り機のネタは、ワッキーという青年に譲り受けられることになります。
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