招かれた客

3/22
前へ
/22ページ
次へ
新宿から電車で一時間程の別世界。 詳しい場所は言えない。 ここへ来ることは誰にも告げてはいけないと言うのが彼との約束だから。 駅員に切符を渡し改札を出ると、寂れた駅にそぐわない高級車が一台停まっていた。 「高峯様ですね、お疲れさまです。どうぞ、こちらへ。」 荷物を持ち、ドアを開けて後部座席へと促されるままに乗った。 他愛もない会話をした気もするがよく覚えていない。 オフ会で知り合ったばかりの俺をここまで好待遇で招いてくれる事に、喜びと不安を感じていたから。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加