ワカメ、万引きに手を染める

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「サザエお姉ちゃん」 「なぁにワカメ」 家に帰るなりワカメはサザエに声をかけた。 「お姉ちゃんさぁ、人前で踊ってみたくない?」 「いやよそんなの。笑われるだけだわ」 「お姉ちゃんさぁ、普通に生きてるだけで既に笑われてるんだよ?今更笑われるとか気にすんの?」 「そうよね、私、なにしてても結局みんなの笑い物。今更人前で踊ることを躊躇うなんて、どうかしてるわね」 「そうよお姉ちゃん。だから今度お姉ちゃんには、刑務所の入り口で踊って欲しいんだ。」 「なんで刑務所の入り口で踊らないといけないのよ?」 「一番度肝を抜かれるポイントかと思ったからよ。刑務所の前で踊る女なんてそうそういないゎ。姉さんなら成し遂げる事ができるきがして」 「そうね…私じゃないとそんな勇気持ってないわよね。これを機に、刑務所の前で踊ってみようかしら」 「そうこなくっちゃ!さすが変な髪型してるだけあるわね。ところで姉さんはどんなジャンルの踊りが得意なの?私、まだ姉さんの腹踊りしか見たことないの。腹踊りでも充分迫力はあったけど、もっとパンチの効いたのはない?」 「そうねぇ………ちょっと恥ずかしいけど……マスオさんに求愛したときに踊ったあれならインパクトはあるかもしれないわ」 「マスオ兄さんに求愛したときの……求愛ダンス…!?」 「えぇ。ワカメもそろそろ求愛ダンスを覚えないとね」 「私、鳥類じゃないわ。だから求愛ダンスなんて必要ないの」 「ワカメもまだまだ子供なのね。わかってないわ。ポールダンスの魅力を」 「ぽ、ポールダンス…!?」
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