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思わず、石島は動きを止めた。
画面に映る少女は美しかった。
あどけなさの残る顔。テレビに出てくるアイドルや、雑誌の表紙を飾るモデルの様な美しさはなかったが、石島は彼女の素朴な美しさに魅入られた。
例えば、電車で隣の席に座ればドキッとするような。例えばレストランで向かいのテーブルに彼女が座っていたらつい、目を向けてしまう様な、そんな魅力が、彼女にはあった。
まだ、大人にはなっていない、しかし、確かに「女」を感じさせる。
石島は完全に彼女に魅入っていた。
こんな少女が…。
石島はタバコに火を付けた。まさかアダルトDVDを見てこんな気持ちになるなんて…。
白いワンピースに、薄緑のブラウス。少し踵の高いヒールにブランド物のバックを後ろ手に持つ彼女は少女が精一杯、背伸びをして、大人の女を演じようとしている風に見えた。
石島は気づけば彼女に昔から知っていたかの様な親近感を感じていた。
貴生
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