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彼女の美しさの中で最も目を惹かれたのは、彼女の髪の毛だった。
肩にかかり少し垂れた辺りまで伸びる彼女の髪は、艶やかで、美しかった、彼女が動く度に日の光を反射し、輝いた。
色はブラウン。毛先まで均一に美しい栗色をしていた。
「ミズキちゃん、髪の毛、綺麗だねー。」
画面の中の男が言った。
「ホントですか?ありがとうございます!!」
褒められた彼女は素直に喜び、屈託なく笑う。
「そんなに綺麗にしてるんじゃ、手入れとか、大変じゃない?」
「えー、特にたいした事はしてないんですよー。」
右手の人差し指に毛先を巻き付けそれを見つめながら彼女は答えた。
「へー、ホントにー?でも、やっぱ、染めたりしたら、髪の毛いたんだりするんじゃないの?」
「実はこの色、天然なんですよー。染めてないんです。ちょっと自慢なんですよ。」
カメラを見上げ、微笑むミズキ。
一つ一つのミズキの仕種が、石島には、堪らなく愛おしかった。
石島は画面の中のミズキに、完全に心を奪われていた。
貴生
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