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温かいコーヒーにするか、冷たいコーヒーにするか、迷った。6月の初め、昼間は暑いが北陸にあるこの街は夜になるとまだ肌寒さが残っている。
迷った揚げ句石島は冷たい缶コーヒーを買った。肌寒さはあったが、それ以上に酷い喉の渇きを感じていた。だからと言ってコーヒー以外を飲む気にはなれない。仕事が終わって最初にする一服をコーヒー以外の飲み物でするなんて考えられない。
石島はブラックコーヒーが煙草に最も合う飲み物だと、頑なに信じていた。
石島は飲み慣れたいつもの缶コーヒーを一口飲むと煙草に火を付けた。
メンソールの冷たい煙りが、喉を通り抜けて彼の胸を満たした。吐き出した煙りは夜空へと消えて行った。
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