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祐「どうしたの?」
タカ「カバン持つの忘れた」
祐「あ、オレもだ(笑)」
そこへ
「あれ?2人?」
誰かが声をかけた。
タカ「成」
成「何してんの?行かないの?中庭」
タカ「カバン忘れちゃって(笑)」
成「タカらしいな」
タカ「アハハ」
オレはこの背の高い彼を完璧年上だと思って身構えていた
成「タカ、もしかして、彼?」
タカ「そう、祐だよ」
祐「あ、祐…です。はじめまして」
成「はじめまして、俺は成人、成って呼んで、」
祐「よろしくお願いします。」
成「よろしく!ってか敬語いらないよ、タメだし、祐って呼ぶからね」
祐「え?」
成「1年だよ、ついでにクラスメイトだからね」
祐「え?」
タカ「え?」
成「タカ待て!祐は頷けるけど、タカは教室で俺のこと見てたじゃん」
タカ「え?俺見てた?」
成「はいはい…どうせ俺はそんな役回りですよ」
祐「…」
タカ「祐どうした?」
祐「あ、ううん大丈夫、なんか安心したよ」
タカ「え?」
祐「やっぱりさ、ちょっと心配してて」
タカ「そっか…」
祐「あ、大丈夫だよ、安心したんだから…」
成「ほら行くよ」
タカ「だからカバン忘れたから取りに行ってくるし
祐先行ってて」
祐「あ…」
貴明はもう走っていた
祐は初対面の成人にかなり緊張していた
成「そう緊張しなくていいよ」
祐「あ、いえ…えっと」
成「今日早く終わってよかったね」
祐「あ、うん」
言葉に困ってると
タカ「あれ?まだ行ってなかった」
成「そりゃあ待ってなきゃ」
タカ「先行っててよかったのに」
成「いや、もしかしたらタカ迷ったら困るかなって思って」
タカ「えー!大丈夫だよ(怒)」
成「やべっ怒らした、祐行くぞ」
祐「うん」
成人はいつのまにか普通に接しててくれた。
緊張してた気持ちがちょっとゆるんでいくのがわかる。
だけど、
玄関口手前でやっぱり
立ち止まっちゃったんだ
成「祐?」
呼び掛ける成人をとめる貴明
タカ「大丈夫だよ、行こう」
何回も同じ言い方でせかさず、祐に話し掛けていた。
よくみると、祐の目は少し潤んでいる。
タカ「気分がのらないなら、やめてもいいよ」
祐「いや…行きたいんだ」
貴明はオレの手を握った
オレは顔をあげてみる。
そこには
玄関口の大きさの
青空が広がっていた。
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