帰り道2

2/2
前へ
/58ページ
次へ
部活も終わり、後片付けをしていた岡田。その手にはバットと大量のボールが入ったカゴ。 部室に向かう岡田の後ろを少し離れて歩いていた赤星が立ち止まり 「岡田先輩」 呼ばれ上半身だけをそちらに向ける岡田。 その弾みでボールが一つ赤星の足元に転がった。 それを拾い上げながら 「俺、あなたが好きみたいです」 突然の告白に一瞬の間。 「そっ、ありがとな」 「って、それだけですか?」 いつものクールな反応にやっぱり、と苦笑混じりに近づく赤星。 「だってお前、本気じゃないだろ」 「本気じゃなきゃいいませんよ」 真剣な赤星の表情にドキリとなるが顔には出さない岡田。 「へぇ…意外」 言って視線を反らす。 ボールをカゴに戻して岡田の顔を覗き込めばほんのり赤みが差している。 照れてる… この人、本当に可愛いなぁ… 「答えはすぐじゃなくていいですよ、あなたが俺を好きになってくれるまで待ってますから」 ヒョイとカゴを取り上げる赤星に 「好きにならなかったらどーする?」 ふっと不敵な笑みを浮かべて見せ 「やだなぁ、好きになるに決まってるじゃないですか」 自信過剰恋愛 ひとしきり笑った後 「お前のそーゆーとこすげーよな」 心の底から感心されて小さく照れる赤星は 「当たり前でしょ?」 岡田がクスクス笑うのが見えた。 俺もまだまだだな…
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

179人が本棚に入れています
本棚に追加