崩壊

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崩壊

「へっ?」 「それはならん」 「何でだよ!?」 「…何故この学校に野球部が無いと思う?」 「そんなの知らねぇよ!」 「落ち着け大輔。…20年ぐらい前の事件のせいですよね?」 「そうだ。よく知ってるな」 「まあ。」 「20年前…ある事件がきっかけで野球部は崩壊した」 「暴力事件とか?」 「ああ。だが内容はそんな簡単なもんじゃない」 「当時な。真面目に野球の練習に取り組みとても気さくで仲間内でも人気がある生徒がいた… その生徒は毎日練習が終わった後に夜遅くまで練習をしておった」 「その当時顧問をしておった永富という男がいたんだが、甲子園一度連れて行った実績がありその子も永富に憧れ、入部したんだ」 「入部したのはいいが、あまりそりが合わなかったらしくてな。 毎日対立していたんだ」 「よくあるような話だな。信二おまえも監督との仲悪かったよな?」 「…思いだしたくもねぇ」 「確執が生まれ、才能があるのに試合など出さなくなった。 その子は部でも人気があったからな、部内でも監督に対し批判が集まった」 「そして監督に対してあるレギュラーを含めた5人が集団リンチを行った」 「!?集団リンチ!?」 「それも監禁し3日に渡ってだ。 それによって意識はなくなり死亡した… その犯行メンバー達は怖くなったのだろう。 河原に放置し、逃走」 「罪悪感からそのメンバー全員が次々に」 「自殺した」 「酷すぎる…」 「…」 「これはもちろん大問題になってな、うちの学校は大きな非難を浴びた」 「そんな大問題の中、よく持ち直したね?」 「当時の校長は辞職。 野球部完全廃部という事で報告し、何とか持ちこたえたというところだ」 「そういう事なんでな…」 「…わかったよ」 「あの!」 「ん?なんだ的場君?」 「その引き金になった人って何ていう名前なんですか…?」 「…さあ?昔の事なんで忘れてしまったな」 「もしかしてその人は!?」 「もういいだろう!私にとっても嫌な思い出なんだ、これ以上話したくない! いいからもう帰りなさい」 「…」 「信二帰ろう。じいちゃんごめん。 ありがとう」 「気を付けて帰るんだよ」 「はい」
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